契約について




「えっ!こんなにちがうの?」

▼建築業者を決める

 最初から建築業者が決まっていれば問題はありませんが、どこの建築業者に頼んでよいかわからない人は「合見積り」といって二〜三の建築業者から見積りを出してもらう場合があります。当然、各社とも見積り金額は異なります。私も経験しておりますが、五○坪程度の建物で、建築費用が一○○○万円も差があったのです。建て主さんは「なぜこんなに違うのですか?」と驚いていました。建築業者によって経費のかかる体質、仕入れ努力をしていない所はこれから淘汰されます。

 「見積りがやすいから」といって安易に決めてしまうのはやめましょう。

 安かろう、悪かろうです。「ここなら任せられる」と思った業者があったら、その業者が以前建てた家を見せてもらうのです。一軒だけでは駄目です。二〜三軒案内してもらうのです。そのときの建て主の対応が良かったら、まず大丈夫です。そして現在工事中の現場を見せてもらうのです。現場が整理・整頓されていればOKです。あなたの家はその大工さんに建ててもらうとよいでしょう。整理・整頓の上手な大工さんは仕事も上手なのです。気に入った業者が見つからないときは、見つかるまで探しましょう。


分からなくなったら、まず相談を・・・

▼契約書をチェックする

 建築業者が決まったら次は契約です。金融公庫などの申込みは、契約前後に申し込んでおきます。そして、契約するときは事前に契約書を見せてもらいます。契約書の内容に疑問点があったら契約前に解決しておきましょう。悪質な建築業者は、契約書の内容を建築業者に都合のよいように書いてある場合があります。十分注意しましょう。

 契約書は、金融公庫か建築四会連合が発行している契約書を使いましょう。口約束のみで契約書を交わさないで工事に着工してしまうケースがありますが、トラブルがあったときに双方が困ります。建築業者が親戚でも必ず契約書を交わしましょう。

 工事代金の支払方法は、「契約時に三分の一、上棟時に三分の一、引き渡し時に残金」というのが一般的です。公的資金などを利用して支払いが遅れる場合は、建築業者と銀行に事前に打ち合わせをして「つなぎ資金」を借りることができるようにしましょう。

 契約時にさまざまな書類に署名捺印をする場合がありますが、何のための書類か調べてからにしましょう。

 問題なく建物が完成すれば良いのですが、トラブル続きの場合は最終金の支払は慎重にしましょう。トラブルを抱えている建築業者は、要注意です。トラブルが解決する前に最終金の残金をすべて支払ってしまうのはやめましょう。残工事をそのままにして、現場に来なくなる可能性があります。そのような場合は自分で判断しないで、必ず専門家に相談しましょう。


大工さんに気持ちよく仕事をしてもらいましょう

▼建物完成後の業者との付き合い方

 建物が完成して最終金の決済が済むと、今まで毎日のように連絡を取り合っていた業者との交流がなくなります。住宅メーカーは、家を建てた人からはクレームの電話がないことを祈っているのです。特に、工事中にトラブルがあったたちの悪い建築業者の場合は、ほとんどアフターサービスを期待するのは無理です。最終金を支払う前に具合の悪いところは直してもらいましょう。

 建物の完成後も業者と仲良く付き合う方法は、普段からの対応が大切です。工事中に職人に嫌われてしまうと、職人達のブラックリストに載ってしまうので気を付けましょう。クレーム処理も、アフターサービスもいいかげんにやられてしまい、手抜き工事をされてしまいます。職人と仲良くしておけば、クレームでない修理もクレーム扱いにしてくれるなどの特典も考えられます。そのことを肝に銘じておきましょう。そのときのお茶出しも忘れずに……。



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