メーターモジュール住宅の仕組と問題点について



▼メーターモジュール住宅の数字のトリックについて

 木造軸組工法は関東間と言われているモジュール(910ミリ)を基準にしております。同じ八帖間でも関東間と関西間とでは、広さが違うのは前に説明しました。ところが関東間と関西間で同じ間取りの家を建てても、柱の数や使用部材の数量はほとんど変わらないのです。変わっているところは内装の仕上げ材が少し増えるぐらいなのです。

 しかし一坪は関東でも関西でも同じ3.3平米なのです。すると関西間の住宅の方が、数字の上では坪単価が安くなるのです。関東では坪当たり40万円でも関西間では32〜33位になるのです。最近はやっているローコスト住宅は、この数字のトリックをうまく使い、グレードを落とし(残念ながら最低グレードなのですが)坪30万円以下にしているのです。

 これは木造軸組工法のみでなく、他の工法でも同じことが言えます。 

 ローコスト住宅を作るのは簡単です。最低グレードの住宅を作ればよいのですから。土台、柱などの主要骨組みに一番安価で白アリにやられやすい米栂を使うのです。サッシも雨戸がないタイプを使います。ユニットバス、台所セット、床板等は安価な物を使います。それによってコストダウンがはかれるのです。グレードは最低グレードですので贅沢は言えません。「雨風がしのげればればよい」という割り切った考えを持っている人向きです。

 ローコスト住宅は、自動車で言うと装備が何も付いていないスタンダード仕様と思えばよいのです。「不満はあるが我慢して使おう」と言うグレードなのです。あれこれ贅沢なオプションを頼むと、普通の住宅並みの金額になってしまいます。何もないから安いのです。そのことを肝に銘じておいて下さい。

 「安かろう悪かろう」と言います。メンテナンスもマメに手をいれないといけません。



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