設計士の設計士の設計した家は、住宅メーカーはつくらない?




「こんな家、たのんだ・・・?」

設計士の設計した家は理解されない?

 テレビなどで放送している「お宅拝見」のような番組があります。紹介している住まいは、風変わりな住まいばかりです。いや、設計思想がはっきりとでている住宅と言えば良いのでしょうか?

 そのような住まいは設計士が設計し、設計士の書いた図面を見ながら施工ができるレベルの高い工務店が工事をしています。「なるほど」と思われるところが設計に生かされており、楽しませております。

 ところが有名と思われている設計士ほど、デザイン思考に走り、耐久性、丈夫さのことを考えずに設計施工を進めてしまうのです。お客のことなどほとんど考えていないのです。

 以前私が、少し有名な設計士さんが設計した家を工事しました。その家はとても風変わりな家で、近所から注目されています。工事中は、設計士さんとよく衝突しました。あまりにもデザイン重視で、家の耐久性、丈夫さのことを考えていないのです。

 私は、「このままでは耐久性がないので、やめたほうがよいですよ。お客さんがかわいそうですよ。」と言い続けていました。

 ところが設計士さんも相当強情で、首を縦に振らないのです。建て主のことは完全に「無視」しております。自分のデザインを主張するのです。私は大人げもなく、設計士さんと言い合いをしてしまいました。それから気まずい思いをしながら工事をしました。

 一年たってやはりその部分の手直し工事をしました。設計士さんはあたかも「クレームでなおすように」と言っておりました。とんでもない話です。私は突っぱねました。

 「長持ちしないから、ダメだって言ったでしょ。」と……結局は、建て主の負担で直したのです。このような設計士はいくら有名でも歓迎されません。

もう一人のケースです。

有名な(?)店舗設計をしている人に、自宅の住まいの設計をAさんは依頼しました。

デザインはそれなりに優れていましたが、打ち合わせをしていくにつれて話が変になってきたのです。話を聞いてみると、住宅の設計はしたことがないようです。

建築士の資格も持っていないのです。木組み、収まりもわからず、ただ図面として書いてあったのです。絵に描いた餅なのです。

 安心して打ち合わせていたAさんも悪いのですが、とりあえずその設計士(?)を断り、私と建て主さんとで図面を直しながら工事を進めていきました。ずいぶん苦労しましたがどうにか完成しました。

 仕事のつきあいで安心していたAさんですが、まさか建築士の資格を持っていなかったとは思ってもいなかったようです。当然設計料は全額とはいかなかったのですが、返してもらいました。不景気なため、設計事務所も仕事がないのです。あらゆる手だてで仕事に結びつけようとしています。みなさんも、気をつけましょう。



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