土地つき建て売り住宅の見分け方



  1. 建物が問題だ

    大手建設業者が山などを切り崩して一つの町をつくってしまい、大規模分譲する物件があります。そのようなケースは上下水道完備で、ガス・電気の心配はまずありません。道路もゆったりして車同士のスレ違いができ、メインストリートにはバスが通り、スーパーマーケットもあり、とても良い環境になるのです。

    建物も信頼のおける大手住宅メーカーが施工している場合が多いので、メンテナンスも安心だと思います。ところがそのような分譲地は、とても高価で、庶民がおいそれと購入できる金額ではありません。そこで地元の小さな不動産屋が分譲している、手ごろなミニ開発の建て売り住宅に顔が向いてしまうのです。

    そこで、言葉巧みな悪徳業者にかかって苦労しているケースがたくさんあります。購入した土地と家は購入者のものになりますが、建物に問題があります。

    「ドアの開閉がわるい」「サッシが開かない」「外壁モルタルのひび割れがひどい」「床が斜めになっている」「家が沈下した」「家が傾いている」「家が揺れる」などという話は、みなこの手の悪徳業者が分譲したケースが多いのです。

    「頭(屋根)から足(基礎)」まで手抜きだらけなのです。手抜き工事を直してくれる業者なら問題ありませんが、悪徳業者はなにもしてくれません。逃げる一方なのです。そんなことになる前に、契約前に専門家に見てもらいましょう。場合によっては「計画倒産」させることもする人たちですから。


    いいところがない!
  2. 契約する前に専門家に点検してもらおう

    専門家といっても誰に頼めばよいのでしょう。     

    一戸建て住宅に詳しい建築事務所なら、設計上の問題・土地や道路の問題など法律的な事柄から調べてくれます。違法建築(道路関係、道路斜線、北側斜線、建ぺい率、容積率など)かどうか調べてくれます。ただし、建物の手抜き工事を見分けることについては建築事務所の人でも得意な人と、そうでない人がいます。そのような場合は建築事務所の知り合いの大工さんと協力体制で調べてもらいます。

    床下に潜り、基礎などをチェックし、屋根裏にあがり木組みをチェックします。二階に上がり、柱をつかみ家を揺らすのです。

    一〜二日あれば調査できます。謝礼は交通費別で五〜六万円は用意しましょう。問題なければ安いものです。問題があれば契約はやめましょう。五〜六万円は安いものです。

    調査した結果、問題があった場合どうしますか?

    土地自体の問題と違法建築の場合は、解決策はありません。購入するのはやめましょう。もし無理して購入しても、売却するときには買いたたかれます。

    もし基礎工事に手抜きがあり、地震に耐えられないと診断されたときはどうしますか? 手抜き工事に大きな問題がある場合は、絶対に購入するのはやめましょう。そのような物件は出来るならブラックリストで登録して公開してしまえばよいのです。

    欠陥と言うほどのものではない場合で、少し手直しをすれば解決する場合があります。 そのような場合は、クレームで手直してもらえるか交渉しましょう。

    外壁がモルタル仕上げの場合は、購入するのはやめましょう。モルタルの塗り厚がとても薄く、すぐヒビが入り雨水がしみ込み材木が蒸れてくさってしまいます。

    外壁が防火サイディングの場合は、製造メーカーが大手であり製品のばらつきがないため、施工さえしっかりしていればモルタルほど問題はありません。

    相談する所がない人は、私に相談してください。アドバイスします。


    専門家にチェックをたのもう
  3. 確認通知書と建てている家が同じか確かめよう

    完成している建売住宅を購入するときに、気をつけることがたくさんあります。

    一番ひどいケースが、確認通知書の図面と実際に建築した家の間取りが違う場合があります。確認許可書の図面より実際に建てている家が大きい場合があります。強度的に問題がなければよいのですが、図面上では耐震壁があっても、部屋を明るくするために耐震壁を取り外し、窓にしてしまう場合があります。すると家の強度を左右する筋交いがなくなるのです。

    建物の検査をしてくれる金融公庫融資の建売住宅であっても、安心できません。一回目の中間検査が終わってしまえば、登記さえすればお金は融資してくれます。ですから、中間検査後であれば間取りを変えても、増築してもわからないのです。

    したがって申請した間取りと、実際に建築している建物が異なる場合があります。申請図面と建物に違いがないか確かめましょう。 三階建住宅の場合は、丈夫さが決め手です。図面と建物がちがい、耐震壁などがない場合は購入をやめましょう。申請図面と一緒であるなら「検査済証(図面と同じ建物であり、建築基準法に適合した住宅であるという証明証)」があるはずです。それも見せてもらいましょう。


    「これが同じ家なの?」
  4. 水道管はよその土地を通っていないか?

    とてもくどいようですが水道管の引き込みは、公道である前面道路(絶対に私道でないこと)から引き込んでいるか必ず確認しておきます。もし物件が気に入っていても、水道管が他人の土地を通って引き込まれている場合は購入をやめるか、前面道路から最低でも二○ミリ(一戸建て注宅を建築する場合)の水道管を引き込んでもらう様にしてもらいましょう。売り主が引き込み工事をしてくれない場合で、どうしてもその物件が欲しいならば自分で水道管を引き込む費用を負担する覚悟をしなければなりません。水道引き込み工事はかなりの費用がかかります。まず見積りをとってから資金計画に影響ないということを確認してからにしましょう。

    前面道路が市道、県道、国道によって水道局に支払う局納金が大幅に異なります。

    特に購入使用とする土地の全面道路の反対側に水道本管が埋設されている場合は、交通を整理しながら舗装を剥がし道路を横断し水道管を引き込まなければなりません。バス通りの道路なら舗装が厚いのです。工事費用も高くなり、負担がかかります。十分な調査が必要です。当然下水の最終桝も敷地内に入っているか調べましょう。


    「お水を借ります」


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